田岡総研文書ファイル

親孝行
 親孝行を強くお勧めします。
 老子は、言っております。人間は生まれながらにして完璧な人徳を持って生まれてくると。「含徳の厚きは、赤子に比す」(老子第五十五章)
 赤ちゃんの時は実に純真・無垢です。自分だけの力では生きていけないのですから、親の愛情をこだわりなく受けとめます。 
 初めは純粋で大らかな徳を持って生まれてきた人間も、「ものごころ付く」頃から逆に徳性を徐々に失い、自我が芽生えると、生きる為に己の損得や打算が強くなります。さらに大人になると競争心や見栄が強くなり(道徳教育が無ければ)すっかり徳を失ってしまいます。そして親を大切にする心さえ失ってしまうのです。
 確かに、小さい子供の方が善悪を知り、優しさを持っており、大人は時々、はっとさせられます。
 人間ほど自立できない期間が長い動物は、他にありません。同じ哺乳類でも、馬も犬も猫も生まれてすぐに1人で立つ事ができます。人間は生後1年くらいは、1人で立つ事も、自分で食べ物を摂取する事もできません。
   母親が無心(母性本能)で、やはり無心な子供に、世話をするのです。子供は母の愛情に徳で答え、自然に愛らしい表情を見せます。
 実は人間の記憶力には、計り知れないものがあります。自分では忘れたつもりの事でも、全て覚えているそうです。忘れたはずのものを何かのタイミングで思い出す経験は誰にでもあります。本当に記憶が無くなってしまったならば2度と思い出すはずがありません。
 私達は、死ぬ直前に今までの全ての事を思い出すそうです。
 自分がまだ赤ちゃんだった頃、おっぱいを飲ませてくれた母親の顔、表情やしぐさまで、感謝の気持ちと共に、まざまざと(まるで映画を見ているように)思い出すそうです。お風呂に入れてくれた父の顔、匂いまで思い出すそうです。
 そしてほとんどの人は、どうしてもっと親孝行しなかったのかを、死ぬ直前になってから後悔するそうです。
 親を大切にしないで後悔し、その人の子も、やはり死ぬ時になって後悔するという悪循環に陥る家系があります。親が親孝行の手本を示さなかった家系です。悪循環を絶つなら自分の代で絶ちたいものです。
 人により生い立ちの違いがあると思いますが、人間であれは、自分1人で生きてきた人など一人もおりません。
 もし、未だ親が生きているのであれば、親孝行してください。死んでいるのなら供養して下さい。
 親孝行は自分の為なのです。


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