田岡総研文書ファイル

デフレと商道
 ここ3年ぐらい連続してラテンアメリカを旅している。むこうは温かく、景色も良いので気分がいい。物価も日本の半分以下の国が多く、住みやすい。日本からの往復にかかる時間とお金が少しもったいなく感じるので、ついつい長旅となる。今年は3週間旅をした。
 あるコンサルタントが、日本の現産業は衰退し、将来観光と農業が有力な国内産業となる旨おっしゃていたが、一理あると思う。ただ、日本の人件費は諸外国に比べ極端に高く、それに伴って物価も高い。観光に向くのだろうかと疑問に感じる。デフレが続いているが日本の物価はまだまだ下がるべきとの指摘もある。
 一方、日本政府は現在の高付加価値政策を維持し、デフレを回避し、国際競争力を強化する為に、映画やアニメーションなどのデジタルコンテンツを中心とした高付加価値産業に特化すべきとの見解を示している。
 ただし、全ての国民が映画やアニメーションの制作に携われるわけではない。
 大手メーカーはコスト削減を目標にどんどん工場や資材調達先を海外に移す。もの作りはよほど特殊なものでない限り日本国内では価格の面で勝てない。
 一方サービス業は現場性が要求されるものが多いので、海外からの移民が増えない限りどうにか我々の手でまかなわれる。
 安さを追求するならば、なるべく人を使わない運営に徹するべきであり、逆に人を使うのであれば、かなり高いサービス力で顧客を魅了しなければ価格に見合わない。
 日本のサービス力が諸外国に劣るのは、チップの習慣がないからであろうかとも考える事がある。
 アメリカなどでは時給が安い代わりにチップが結構貰える仕事が多く、チップ欲しさに笑顔を振りまき、愛想も良くなる。
 これも現代風の合理主義に合ったやり方ではあるが、本来、チップなどなくとも、我々はお客さまに喜んで頂く喜びを感じる事ができる。
 それが日本古来の「商道」ではなかったか。
 デフレ圧力に勝つ道は温故知新、本来の商道にあるとみた。


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