| 田岡総研文書ファイル |
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| 第3の本能 |
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人間には「食欲」、「性欲」と並んで「人に貢献したいと思う本能」があると確信しております。私はその本能を「第3の本能」と名づけました。 本能ですから、勉強や修行によって得られるものではなく、人間が本来、生まれながらにして有しているものなのです。 多くの人が、本来、生まれながらに持っているこの「第3の本能」をすっかり埋もらせております。これは悲しい事です。 ドイツの心理学者マズローは欲求5段階説の中で、最高の欲求として「自己実現の欲求」をあげました。多くの人はこの「自己実現」という言葉は知っており、また最近では頻繁に使われるようになっておりますが、その意味を充分に知っている人は少ないのです。 私は原書「マズロー」を何回も読み、マズローの言っている「自己実現」の意味が、「人に貢献すること」だという事を確信するに至りました。 実は「第3の本能」は私が考え出したアイディアではありません。ことば自体は私の造語ですが、同じ概念はマズローに限らず、古今東西多くの優れた思想家・哲学者・宗教者によって既に説かれております。 中国明代の思想家、王陽明も伝習録のなかで「良知」という名でこの本能を解いてますし、もう少し前には孟子がもっと詳しく解いてます。 仏教では「仏性」という言葉で説明しておりますし、キリスト教では神(ゴッド)と呼んでおります。 宗教ではこの本能をシンボリックに表現したため、信者の中には、仏や神は石や木で作った造形物だと思いこんだり、なにか自分の心の中以外にある存在と勘違いする人がおりますがそうではありません。 仏教では仏を自分の心の中にあるものと説明しておりますし、キリスト教でも、「神はあなたの心の中にいる」とはっきり言っています。 儒教も仏教もキリスト教も陽明学も「第3の本能」の 事を説明しているのであり、更に各宗教ではなぜ第3の本能が存在するのかを大自然の摂理と生命、又は自然の法則と因果などを使って説明しているのです。 人への貢献という「第3の本能」が誰の心の中にも「生まれながらに存在する」ことを最も端的に証明したのは孟子です。孟子は次のような事を弟子に言っております。 「今、ここに、よちよち歩きの子供が井戸の方に歩いてゆく姿をあなたが見たとしよう。その子は井戸の中を覗き込んで今にも井戸の中に落ちそうだとしよう。その時、あなたは黙って見ているだろうか、それともそっと近寄って(井戸に落ちないように)抱き上げるであろうか。当然、抱き上げるであろう。そして、あなたと同じように、人間であれば誰でもこの子が井戸に落ちないように、そっと抱き上げるであろう。それは、この子の親に感謝されたいからか?それとも自分が善人である事を誇示したいからか?そうではない。本能的におこなう事なのである」 孟子の言う通り、私達には「第3の本能」が備わっているのです。多くの人がその事に早く気付く必要があります。 ***** 著作権表示:株式会社田岡総合研究所 田岡將好 ***** この文章をコピーしたり、配布したり、社員研修等で使っても多いに結構ですが、 著作権表示を消さずにお使い下さるようお願いします。(http://www.taoka-s.com) |